ザック・グレインキー
KC(2004-2010)-MIL(2011-2012)-LAA(2012)-LAD(2013-2015)-ARI(2016-2019)-HOU(2019-2021)-KC(2022-2023)
通算成績 586試合 225勝156敗 防御率3.49 2979奪三振 fWAR66.6
獲得タイトル:サイ・ヤング賞1回、最優秀防御率2回、シルバースラッガー賞2回、ゴールドグラブ賞6回、フィールディング・バイブル・アワード賞2回
2009年 33試合 16勝8敗 防御率2.16 242奪三振 fWAR8.7
殿堂入り間違いなしのマッドマン
2000年代後半から2019年にかけて球界のエースとして君臨してきた好投手。
ドジャース移籍以降のグレインキーは球界きっての技巧派として知られているが、デビュー初期は160キロ近い速球でグイグイ押す本格派投手。
2009年は最速159キロ、平均151キロの速球を武器に打者を蹂躙し、リーグ1位の防御率2.19を記録。当時のロイヤルズは弱小球団であったため、勝ち星は伸びなかったが見事サイ・ヤング賞の栄光に輝いている。
グレインキーといえば、数々の奇行でも知られており、
・オールスターでパット・ニシェックからサインを頼まれるも拒否
・マウンドから次に投げるボールを宣言
・お守りとして五円玉を首から下げている
・天敵であるカルロス・クエインティンと大乱闘を繰り広げ骨折
・バッティングと盗塁が大好きかつ、野手顔負けのセンスを誇り、両リーグDH制が敷かれた2021年のワールドシリーズでは代打として出場。
など濃いエピソードを多数かかえている。
とはいえ、バウアーと異なりチームメイトに迷惑をかけるものでは決してなく、大谷ファンである息子のために大谷と積極的に絡みにいくなどお茶目な一面も。
将来の殿堂入りは確実視されており、あと21に迫った通算3000奪三振を記録すれば初年度でクーパーズタウンにその名を刻まれる可能性も大。
ここ数年の成績を踏まえると、古巣ロイヤルズとの再契約が有力視されており、2024年に3000奪三振を奪い、有終の美を遂げたいところ。
球種はツーシーム、スローカーブ、Vスライダー、チェンジアップ。
査定に関して
一番のこだわりは変化球。
グレインキーといえば、速球と球速差がほとんどないスプリットチェンジの印象が強いが、このボールを投げ始めたのは2011年以降。
2009年のハイライトを見る限り、決め球は縦に落ちるスライダーであり、チェンジアップと思われるボールも85マイル程度だったため、上記のような球種構成にした。
Nishiのひとりごと
書籍『アメリカンベースボール革命』によるとグレインキーはロイヤルズ時代のチームメイト、バニスターの影響でセイバーメトリクスに精通しており、PITCHf/Xを独学で調べたり、ピッチトンネルやFIPを意識した投球を2009年ごろからしていたとのこと。
長くメジャーの第一線で活躍できたのはピッチングスタイルを柔軟に変えられる器用さと、セイバーメトリクスの知識があったからと勝手に想像している笑。
関連選手:技巧派時代のグレインキー
防御率1.66を記録した2015年バージョン
アストロズのワールドシリーズ進出に貢献した2019年バージョン