ノーラン・ライアン
NYM(1966,1968-1971)-CAL(1972-1979)-HOU(1980-1988)-TEX(1989-1993)
通算成績 807登板 324勝292敗 防御率3.19 5714奪三振 3セーブ fWAR106.7
獲得タイトル:最優秀防御率2回、最多奪三振11回
1973年 41登板 21勝16敗 防御率2.87 383奪三振 1セーブ fWAR8.7
ライアン・エクスプレス
1973年にMLB歴代最多となるシーズン383奪三振、通算でもこれまた歴代最多となる5714三振を奪った稀代のドクターK。
球界屈指の豪速球投手と知られ、スピードガンが導入された1974年には100.9マイル(162キロ)を計測。これは正式に計測された記録としては初の100マイル越えとなっている。
コントロールは壊滅的で、シーズン3桁フォアボールは当たり前。1974年にはぶっちぎりでリーグ最多の202四球を出してしまっている。
通常であればかなりのウィークポイントになるが、ライアンの場合はこの荒れ球が相手に的を絞らせないという武器になり、また球数が嵩んでしまうという問題もウェイトトレーニングで手に入れた無限のスタミナで解決してきた。
ライアンは40歳になっても150キロ後半を超える速球を維持しており、44歳で迎えた1991年には7回目のノーヒットノーランを達成。これはMLB最多記録かつ、最年長記録となっている。
ライアンはどういう訳かどのチームでも勝ち星に恵まれず、そのためサイ・ヤング賞には縁がなかった。それでもその支配的なピッチングからMLB最高の投手としての呼び声が高い。
球種はパワーカーブ。
ライアンといえばドロップカーブのイメージが強いが、Guide To Pichersによるとカーブのスピードは89マイル(142キロ)という記述があり、今回はパワーカーブを採用した。また、チェンジアップはレンジャーズ時代から投げ始めたものなので、今回はオミット。
査定に関して
怪童・怪物球威
ライアンの速球はとにかく速い。そして何よりズガンと刺さるような重さがある。ライアンは基本的に速球とカーブしか投げておらず、並の速球であれば数年で対策されるはずだが、二十数年にわたるキャリアの中で最後まで攻略されなかったのは他のピッチャーとは数段階異なるノビと球威があったからとしか言いようがない。
ドクターK
シーズン歴代最多奪三振記録を讃えて。1973年の奪三振率も10.57、キャリアを通しても9.55と時代を考えると規格外の高さだった。
内角攻め
ライアンは内角攻めを相当意識していたようで、ピッチャーズバイブルでは内角攻めの重要性について3ページに渡って語っていた。
荒れ球
パワプロ2022の新得能で荒れ球が発表された時、「これはライアンのための得能」と確信。
シュート回転
ライアンの速球はキレイな真っ直ぐではなく、たまにシュート回転している。
Nishiのこぼれ話
ノーラン・ライアンはメジャーリーガーとしては最長となる27年間の現役生活を送ったことでも有名。なぜ150キロのストレートを最後まで維持できたのかという問いに関しては『ノーラン・ライアンのピッチャーズ・バイブル』にて詳しく明かされている。速球を維持するためのトレーニングの概要に加えて、ライアンの野球観も垣間見える名著です。
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