ザック・ウィーラー
NYM(2013-2014,2017-2019)-PHI(2020-)
通算成績 259登板 103勝70敗 防御率3.34 1625奪三振 fWAR37.2
獲得タイトル:最多奪三振1回、ゴールドグラブ賞1回
2024年 32登板 16勝7敗 防御率2.57 224奪三振 fWAR5.4
2020年代No.1ピッチャー
2019年オフに5年1億1800万ドルでフィリーズに加入してから、毎年エース級の活躍を続ける現役最強投手のひとり。
メッツ時代は速球のスピードは魅力的だが安定感は今ひとつの先発3番手クラスの評価だったが、フィリーズ加入後は多彩な変化球と抜群のコントロールで試合を確実につくる頼れるエースに成長。
2024年はタイトルこそ縁がなかったもののキャリアハイかつリーグ2位のとなる16勝・防御率2.57をマーク。オフにはサイ・ヤング賞争いで2021年ぶりとなる2位にノミネートされた。
ウィーラーは2024年開幕前にフィリーズと3年1億2600万ドルで契約延長を交わしており、チームメイトのハーパーも「球界最高の投手が4000万ドルとしっかり評価されていて嬉しい」と太鼓判を押している。
34歳とベテランの域にウィーラーは差し掛かっているが、投球術は年々向上しており、フィリーズとの契約が終わる2027年まではMLBトップレベルの先発右腕として君臨しそうだ。
球種はツーシーム、スライダー、カーブ、SFF。
ウィーラーはカットボールも投げるが流石に5球種は強すぎるので今回はオミット。
また、ウィーラーのスライダーは2022年ごろまではいわゆるスラッターと呼ばれるスピード重視のボールだったが2023年からは横変化の大きいスイーパータイプにシフトチェンジしている。
査定に関して
ノビA
ウィーラーのフォーシームは2024年のRun Valueがプラス16と現役選手では最高クラスの高評価。
また、ツーシーム(シンカー)もRun Valueプラス18とこちらも最高クラス。2024年のFastball Run Valueプラス33は全投手中1位ととにかく質の高い速球を操っていることがよく分かる。
球持ち◯
Extensionは計測がスタートした2017年から常にMLBトップレベルで、2024年もMLB上位4%に入っていた。ザック・ウィーラーが通算成績で殿堂入りクラスの成績を残した暁には金特のディレイドアームをつけていいかも。
立ち上がり◯
2024年の初回防御率は1.12と立ち上がりに躓くことはなかった。
調子安定
ウィーラーは2020年から3シーズン連続で防御率2点台。防御率3.61に終わった2023年もfWARではナ・リーグ先発投手ではトップの5.9、2024年も上記のような好成績とフィリーズに入団してから常にエース級の活躍を続けている。
Nishiのひとりごと
ウィーラーが2019年に結んだ5年1億1800万ドルの契約は当初、筆者も含め多くのMLB有識者が高すぎるのではと訝しんでいたが、蓋を開けてみればむしろ安すぎるといって良いレベルの契約内容に。
個人的にもFA投手の契約としては2014年オフにナショナルズと7年契約を結んだマックス・シャーザーに次ぐ大成功例になったのではと思っている。