セイバーメトリクス時代の幕開け
セイバーメトリクスが全球団に普及し、統計分析を駆使して選手の価値を測る時代に突入。
今ではお馴染みのWARがMVP投票で重要なファクターを占めるようになり、マイク・トラウトやムーキー・ベッツら総合力が高い選手がより高評価される風潮が強まった。
ホームランになりやすい条件がデータとして見える化されたことが追い風になり「フライボールレボリューション」が巻き起こり、ゴロではなくとにかくフライを上げることに注力する戦略が浸透し、2019年にはシーズン総本塁打が歴代最多の6776本に達した。また、同年にはツインズがチームとしての歴代最多となる年間本塁打数307本を記録している。
これに伴い三振を恐れずにガンガン振るバッターが増加したことでピッチャーの奪三振率も跳ね上がり、2019年にはゲリット・コールが歴代最高の奪三振率13.8をマークしたことも記憶に新しい。
また、2010年代はトレードで主力放出→若手有望株を確保→数年最下位になりその間ドラフトで有望株を上位で指名→若手有望株が育ったタイムミングで勝負に出るというスキームが確立され、このスキームを賢く活用したアストロズの黄金時代が幕を開けた。
All Decade Team 2010's オーダー
キャッチャー:バスター・ポージー
2012年 148試合 .336 178安打 24本塁打 103打点 1盗塁 fWAR9.8
バッティング・ディフェンスともに同年代にプレーしたキャッチャーの中でも頭一つ抜けた名捕手。正捕手としてサンフランシスコ・ジャイアンツを3度のワールドシリーズ制覇に導いた功績も計りしれない。
ファースト:ジョーイ・ボット
2017年 162試合 .320 179安打 36本塁打 100打点 5盗塁 fWAR6.2
2010〜2019年までの10シーズン中7回もリーグトップの出塁率をマークした選球眼の鬼。No.1ファーストとしてミゲル・カブレラを挙げる有識者も多いと思われるが、三冠王を達成したシーズンはサードを守っており、対象外。また、ミゲレラは2017年以降急速に衰えてしまったことが印象強くマイナスポイントになってしまった。
セカンド:ホセ・アルトゥーベ
2017年 153試合 .346 204安打 24本塁打 81打点 32盗塁 fWAR7.7
2011年のデビュー以降、この年代で最も多くのヒットを放った(1568安打)ヒットメイカー。当初は内野版イチローと呼ばれるようにパワーレスの巧打者タイプであったが2016年以降はプルヒッティングでホームランも狙える強打者に変貌。2017年にはMVPに輝いている。
サード:エイドリアン・ベルトレ
2012年 156試合 .321 194安打 36本塁打 102打点 1盗塁 fWAR6.3
サードはアレナード、ドナルドソンと強打者がひしめくが、2010年代通しての安定した活躍という面ではベルトレがNo.1。2010〜2018年までの9シーズンで4回のオールスター、rWAR6.0以上を記録したシーズンは3回、2010年から2014年までの5シーズンはrWAR5.6以上と素晴らしい成績を残し続けた。
ショート:フランシスコ・リンドーア
2018年 158試合 .277 183安打 38本塁打 92打点 25盗塁 fWAR7.8
2010年代最高のショートはリンドーア!メジャーデビューは2015年と実働5シーズンながら積み上げたfWARは28.9。これは2010年代最強ショート候補のトロイ・トゥロウィツキ(fWAR27.1)を上回る。なお、ディフェンス面では歴代最高の守備力と謳われるアンドレルトン・シモンズには及ばないが、シモンズはバッティングがイマイチでオフェンスでプラスになったのは3シーズンのみ。
ライト:ムーキー・ベッツ
2018年 136試合 .346 180安打 32本塁打 80打点 30盗塁 fWAR10.2
初の規定到達は2015年と2010年代は実働5シーズンと短いが、残したインパクトは絶大。特にトリプルスリーを達成した2018年にはfWAR、rWARともに10点台の壁を突破し、全盛期のマイク・トラウトをおさえてMVPに輝いている。次点はおそらくスタントン。2017年クラスの成績を複数回おさめていれば、結果は変わった可能性大。
センター:マイク・トラウト
2018年 140試合 .312 147安打 39本塁打 79打点 24盗塁 fWAR9.5
選んだ理由?説明不要でしょ笑
レフト:アンドリュー・マッカッチュン
2013年 157試合 .317 185安打 21本塁打 84打点 27盗塁 fWAR8.1
マッカッチェンのポジションは厳密に言えばセンターだが、センターにはマイク・トラウトがいたためレフトでの選出。なお、レフトの候補としてはクリスチャン・イエリッチも捨てがたいが、イエリッチは圧倒的な成績を残したと言って良いのが2018〜19年の2シーズンのみで年代を通しての活躍という面ではマッカッチェンに軍配が上がる。
DH:ネルソン・クルーズ
2015年 152試合 .302 178安打 44本塁打 93打点 3盗塁 fWAR5.0
2010年代最強のDHはおそらくデビッド・オルティーズだが、オルティーズは2000年代で選んだ関係で、次点のクルーズを選出。ちなみにクルーズが2010年代に入ってから記録した346本塁打はこの年代での最多記録。
先発
先発ピッチャーに関しては、カーショウ、シャーザー、バーランダーの3投手は当確で、残りふた枠を誰にするか悩むというのが筆者も含めて多くの有識者の見解だろう。
筆者は残りふた枠にグレインキーとセールを選んだが、その理由としては以下の通り。
・グレインキー:将来的に殿堂入りすること間違いなし。2015年には2000年以降最高となる防御率1.66をマーク。
・セール:この年代ではサイ・ヤング賞にこそなれなかったが、サイ・ヤング賞投票で6回もトップ5にランクイン。また、稀代のドクターKとして史上最速で2000奪三振達成、2017年には308奪三振をマーク。
なお、他の米有識者が残りふた枠に推しているピッチャーとしては、デグローム、クルーバー、プライス、レスター、ハメルズらがいる。
2014年 27登板 21勝3敗 防御率1.77 239奪三振 fWAR7.9
2018年 33試合 18勝7敗 防御率2.53 300奪三振 fWAR7.5
2019年 34登板 21勝6敗 防御率2.58 300奪三振 fWAR6.4
ザック・グレインキー
2015年 32登板 19勝3敗 防御率1.66 200奪三振 fWAR5.3
クリス・セール
2017年 32登板 17勝8敗 防御率2.90 308奪三振 fWAR7.6
リリーフ
2010年代はピッチャー、特にリリーバーの球速がインフレ。その中でもトップクラスの球速で打者を制圧し続けたのがこの2人。
キンブレルは2011年から守護神として君臨したこともあり、セーブ数は同年代でトップの346をマーク。
また、チャップマンは歴代最速となる169キロを叩き出したインパクトに加え、10年代に500イニング以上投げたリリーバーとしてはキンブレル(2.08)に次ぐ、2.23と2番目に低かったことも評価しての選出となった。
次点はドジャースの守護神ケンリー・ジャンセン。
アロルディス・チャップマン
2016年 59登板 4勝1敗 防御率1.55 90奪三振 36セーブ fWAR2.7
クレイグ・キンブレル
2012年 63登板 3勝1敗 防御率1.01 116奪三振 42セーブ fWAR3.1
ユニフォーム&チーム設定
パワナンバー 20000 60090 55743
※パワプロ2025でもダウンロードできます。
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