ストライキとステロイド時代の幕開け
1990年代初頭のMLBはサラリーキャップを導入したいオーナーとそれを防ぎたい選手会が激しく衝突。1994年は選手会がストライキを決行し、シーズン途中終了という前代未聞の事態に陥った。
1995年にようやく新たな労使協定が成立し、通常より1ヶ月遅れで開幕を迎えるもMLBの人気は低迷。
そんな低迷期を打ち破ったのが1998年のマーク・マグワイアとサミー・ソーサのホームラン競争。最終的にマグワイアがシーズン70本塁打の新記録を打ち立てた。
この二人の熾烈な争いでMLB人気に再び火が点いたが、後に彼ら二人を筆頭に多くの選手がステロイドなどのパフォーマンス向上薬を使用していたことが発覚し、MLBで恥ずべき歴史のひとつ「ステロイド時代」が始まってしまった。
また、1990年代で欠かせないのが野茂英雄のMLB挑戦。野茂はトルネード投法で大旋風を巻き起こし、新人王のタイトルを獲得。以後、日本人メジャーリーガー挑戦の道が拓かれた。
All Decade Team 1990’s オーダー
キャッチャー:マイク・ピアザ
1997年 152試合 .362 201安打 40本塁打 124打点 5盗塁 fWAR9.1
このディケイドを代表するキャッチャーといえばピアザとパッジことイヴァン・ロドリゲスの二人。バッティングではピアザが上だが、ディフェンス面ではロドリゲスが上回る。正直なところ甲乙つけ難いため、今回はキャリアハイのfWARで勝っているピアザを選んだが、パッジを選ぶ有識者も多そう。
ファースト:ジェフ・バグウェル
1999年 162試合 .304 42本塁打 126打点 30盗塁 fWAR7.8
1990年代のファーストもフランク・トーマスとジェフ・バグウェルの一騎打ち。こちらもバッティングではほぼ互角な実力なだけにかなり悩んだが、守備走塁面とこの期間のfWARでも3上回るバグウェルを選出。なお、マーク・マグワイアは1990年代に366本塁打、1998年には70本塁打をマークしているが、この二人と比べてアベレージを残せなかったことと、ドーピングというマイナスポイントから選外とした。
セカンド:クレイグ・ビジオ
1997年 162試合 .309 191安打 22本塁打 81打点 47盗塁 fWAR9.7
セカンドはクレイグ・ビジオとロベルト・アロマーの一騎打ち。90年代通算のfWARはビジオ:51.3、アロマー:43.2とビジオが優勢。キャリアハイでもビジオ:9.3、アロマー7.4とやはりビジオに軍配が上がる。なお、ロベルト・アロマーは90年代にゴールドグラブ賞に8回も輝いてるが、実際にはトータルゾーンが90年、98年、99年以外マイナスでWARでもその差が如実に反映されている。
サード:チッパー・ジョーンズ
1999年 157試合 .319 181安打 45本塁打 110打点 25盗塁 fWAR7.3
実質的なメジャーデビューは1995年と90年代は5シーズンしか規定に届いていないが、純粋な打力ではこのディケイドでプレーしたサードの中ではトップクラス。累計成績ではホワイトソックスなどでプレーしたロビン・ベンチュラが優勢だが、いかんせん地味な印象。
ショート:カル・リプケンJr.
1991年 162試合 .323 210安打 34本塁打 114打点 6盗塁 fWAR10.6
1990年代はリプケンに加え、バリー・ラーキン、ジーター、A・ロッドとレジェンドショートが目白押し。1995年にMVPを受賞したラーキンも捨て難いが、今回はMLB史上歴代トップの2632試合連続出場という偉業を讃えてカル・リプケンを選出。
ライト:ラリー・ウォーカー
1997年 153試合 .366 208安打 49本塁打 130打点 33盗塁 fWAR9.1
クアーズ・フィールドの恩恵はかなりあったと思われるが、それでも1990年代の成績は圧巻。特に1997年からは3シーズン連続で打率.363、OPS1.075オーバーをマークとまさに最強打者だった。
センター:ケン・グリフィーJr.
1997年 157試合 .304 185安打 56本塁打 147打点 15盗塁 fWAR9.0
1990年代はグリフィーの全盛期。この間にシルバースラッガー賞7回、ゴールドグラブ賞10回と攻守ともにトップレベルの成績を残し続けた。
レフト:アルバート・ベル
1995年 143試合 .317 173安打 50本塁打 126打点 5盗塁 fWAR7.2
厳密にいえば1990年代最高のレフトは間違いなくバリー・ボンズだが、ボンズは2000年代枠で選んだため、今回はレフトとしてシルバースラッガー賞に5度輝いたアルバート・ベルを選出。ベルは純粋な打撃成績は1990年代にプレーした野手の中でもトップレベルだが、人間性は最悪でMVP投票でもベルよりも低い成績の選手に票が流れる始末。
DH:エドガー・マルティネス
1995年 145試合 .356 182安打 29本塁打 113打点 4盗塁 fWAR7.0
最優秀指名打者賞に5回(1990年代は3回)も輝いた元祖フルタイムのDH。マルティネスの選出に関しては異論の声は上がらないはず。
先発
1990年代最高の先発投手は間違いなくロジャー・クレメンス、グレッグ・マダックス、トム・グラビン、ランディ・ジョンソン、ペドロ・マルティネスの5人だが、ランディ・ジョンソンとペドロ・マルティネスを2000年代枠で選んだため今回も残りふた枠が空席に。
今回はスモルツとブラウンを選んだが、その理由は以下の通り。
・スモルツ:ブレーブス3本柱の一角として143勝をマーク。1996年には最多勝、最多奪三振の2冠でサイ・ヤング賞に輝いている。
・ケビン・ブラウン:マーリンズ時代の96年にはリーグトップの防御率1.89をマーク。99年には当時のFAとしては歴代最高額の7年1億500万ドルでドジャースに移籍したことからも、90年代の投手としては最高クラスの評価を受けていたが伺える。
他の候補としては、マイク・ムッシーナ、チャック・フィンリー、デビッド・コーン、ホセ・リーホがあげられる。
1997年 34登板 21勝7敗 防御率2.05 292奪三振 fWAR10.7
1995年 28試合 19勝2敗 防御率1.63 181奪三振 fWAR7.9
1998年 34登板 20勝11敗 防御率2.55 192奪三振 fWAR5.4
1996年 35登板 24勝8敗 防御率2.94 276奪三振 fWAR8.4
1998年 36登板 18勝7敗 防御率2.38 257奪三振 fWAR9.6
リリーフ
1990年代は投手分業制が確立されたことでシーズン40セーブ以上を上げるクローザーが続出。ホフマン、リベラ、エカーズリー、ロブ・ネン、ウェッテランドとパッと思いついた投手をあげればきりがないが、今回は殿堂入りという観点を重視して、ホフマンとエカーズリーの二人を選出。なお、リベラは2000年代枠で既に選んだため、今回は選外とした。
1998年 66登板 4勝2敗 防御率1.48 86奪三振 53セーブ fWAR3.1
1990年 60登板 4勝2敗 防御率0.61 73奪三振 48セーブ fWAR3.2
ユニフォーム&チーム設定
パワナンバー 20300 00040 55745
※パワプロ2025でもダウンロードできます。
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