スチュー・ミラー
STL(1952-1956)-PHI(1956)-SF(1957-1962)-BAL(1963-1967)-ATL(1968)
通算成績 704登板 105勝103敗 防御率3.24 1164奪三振 153セーブ fWAR18.6
獲得タイトル:最優秀防御率1回、最多セーブ2回
1965年 67登板 14勝7敗 防御率1.89 104奪三振 24セーブ fWAR2.3
The Butterfly Man
130キロ台の速球と、“バタフライ”と呼ばれた速球と同じ腕の振りから投げられるチェンジアップとスローカーブのコンビネーションで打者を翻弄したリリーフエース。
ミラーはメジャーデビューからジャイアンツ時代の1958年までは基本的に先発として起用されていたが、遅い速球とチェンジアップのコンビネーションが3巡目以降に見極められることが多く、58年は先発時の防御率は3.01、リリーフ登板時は0.81とその差が如実に現れていた。
転機になったには59年。同年、ミラーは先発ローテーション入りを逃した結果、リリーフ投手に完全転向。その後は、リリーフエースとしてのキャリアを歩むことになり、1961年にはリーグ最多タイの17セーブをマーク。
オリオールズ移籍後も勝ちゲームの試合終盤を任され、1963年にはリーグ最多の27セーブをマーク。1965年には31イニング連続無失点の好投も光り、キャリア最高となる防御率1.89、25回のセーブシチュエーションのうち失敗はわずか1と圧巻のピッチングでチームのMVPにも選ばれている。
MLBでセーブが公式記録になったのはミラーの引退後の1969年になってから。そのためクローザーという概念は当然ながら当時の監督、首脳陣にはなかったが、ミラーは勝ちゲームの終盤を任されるという比較的クローザーに近い起用法だったため、フィンガーズ以前の元祖クローザーと言っても過言ではないピッチャーである。
球種はスローボール、スローカーブ、チェンジアップ。
ミラーのチェンジアップの評価は非常に高く、書籍『Guide to Pichers』では歴代最高のチェンジアップとしてミラーのボールを紹介している。
Nishiのこぼれ話
ミラーは身長173センチとかなり小柄なメジャーリーガー。
ミラーの小柄さを象徴するエピソードとして1961年のオールスターでマウンドに上がった際、強風が吹き上がり、その勢いによろめいてしまったというものがある。その後、話に尾鰭がつき、ミラーが強風で飛ばされたという噂が流れたらしく、それについてはキッパリと否定している。