ロビンソン・カノー

NYY(2005-2013)-SEA(2014-2018)-NYM(2019-2020,2022)-SD(2022)-ATL(2022)-メキシカンリーグ(2024-)
通算成績 2267試合 .301 2639安打 335本塁打 1306打点 51盗塁 fWAR57.5
獲得タイトル:シルバースラッガー賞5回、ゴールドグラブ賞2回
2016年 161試合 .298 195安打 39本塁打 103打点 fWAR6.4
ドーピングで全てを失った天才セカンド
セカンドとして通算3割、2500安打、300本塁打、rWAR68.7と通常であれば殿堂入り間違いなし。2000年以降にプレーしたセカンドの中では歴代No.1の名声を手にしていたはずだが、2度にわたるドーピング判明で全てを失った天才セカンド。
カノーは天性の打撃センスの持ち主で、ルーキーイヤーの2005年にいきなり打率.297の好成績をマーク。翌年にはジーター、マウアーと首位打者争いを繰り広げ、最終的にリーグ3位の打率.342でシーズンを終え、リーグを代表するセカンドに成長。
2009年以降は、アベレージに加えシーズン30本塁打を狙えるパワーがともない5シーズン連続で3割・25本塁打以上をクリア。2013年オフにはFAとなり、マリナーズと10年総額2億4000万ドルの大型契約を結んだ。
マリナーズ1年目は投手有利のセーフコフィールドの洗礼を受け、ホームランは半減するも打率.314と高いミート力は健在。オフには日米野球で来日し、オリックスの西からつま先に死球を受け、骨折するという悲運に見舞われた。
マリナーズ時代はエイドリアン・ベルトレを筆頭とするかつての強打者のようにシーズン20本塁打前後に収束するかと思われたが、2016年にキャリアハイの39本塁打とパワー覚醒。キャリア通算でも250本塁打のマイルストーンに到達し、ア・リーグのセカンドとしては歴代最多の本塁打を記録した選手になった。
ここまでは殿堂入り間違いなしのキャリアを歩んでいたカノーであったが、2018年シーズン中にドーピングを隠すために使われたと見られる利尿剤の使用が発覚。これによりシーズン80試合に出場停止処分となり、カノー自身は禁止薬物の使用を否定するも疑惑のスラッガー*1という扱いになり、殿堂入りの可能性は大幅にダウン。
カノーはマリナーズが再建に突入したこともあり、2018年オフにメッツへトレード。メッツ時代1年目の2019年は打率.256、13本塁打と自己ワーストの成績に沈むも、2020年に打率.316とV字復活。
しかし、2020年オフに2度目のドーピング違反が発覚し、2021年は全試合に出場停止に。これによりカノーは全ての信頼と名声、キャリアを失墜し、2022年5月にはメッツを解雇されてしまった。
2022年以降はMLB復帰を目指すも、パドレス、ブレーブスともに結果を残せず、2023年以降は活躍の場を海外に移し、ベースボールユナイテッドやメキシカンリーグでプレー。メキシカンリーグでは打率.431と圧巻の成績を残し、首位打者のタイトルを獲得している。




査定に関して
守備B
カノーは一見やる気のないようなセカンド守備が目につくが、実際にはゴールドグラブ賞2回、DRSプラス10オーバーのシーズンが4回と評価はかなり高い。2016年もDRSプラス11の好成績を叩き出している。
広角打法

カノーといえばこの得能。2016年もセンター方向からレフト方向に22本塁打を放っている。
悪球打ち
カノーの薬物使用を除いての欠陥は、選球眼がイマイチなこと。通算打率.301に対して通算出塁率.351と出塁率は低め。
Nishiのひとりごと
筆者がロビンソン・カノーを知ったのはWBC2013年大会。この大会でカノーはドミニカ代表として出場し、大会最多となる15安打、打率.469と大暴れし、見事MVPに選ばれている。
*1:カノーはバイオジェネス・スキャンダルでリストにあがったAロッドやメルキー・カブレラとはヤンキース時代のチームメイトであり、2009年にパワーアップしたという経緯もあってほぼ黒とみなされてしまった。