クリストファー・サンチェス

PHI(2021-)
通算成績 104登板 30勝21敗 防御率3.24 509奪三振 1セーブ fWAR12.9
獲得タイトル:特になし
2025年 32登板 13勝5敗 防御率2.50 212奪三振 fWAR6.4
ナ・リーグ最高のサウスポー
2025年ナ・リーグサイ・ヤング賞投票でファイナリスト入りを果たしたシンカーボーラー。
サンチェスはメジャーデビュー当初の評判は決して高いとはいえないピッチャーだったが、2024年に先発ローテーションを1年守り抜き、31先発で防御率3.31の好成績をマーク。
総合力の高さと何より絶対的決め球(チェンジアップ)を持っていることから筆者を含め一部のMLBファンの中では、サイ・ヤング賞のダークホースとさらなる飛躍に期待をする声がちらほら上がった。
2025年は開幕から右のウィーラー、左のサンチェスというダブルエース体制でフィリーズを牽引。大崩れしない安定感抜群のピッチングにより磨きがかかり、最終的にリーグ3位の防御率2.50、リーグ2位の202イニング、リーグ5位の212奪三振と主要スタッツが軒並みリーグトップクラスにランクインする大活躍を見せた。
サイ・ヤング賞投票では、スキーンズが2年連続防御率1点台ととんでもない成績を残したため、1位になることは絶望的だが、rWARではスキーンズを上回るリーグトップの8.0をマーク。指標上ではナ・リーグ最強の先発投手と言っても過言ではないだろう。
球種はVスライダー、Hシンカー、サークルチェンジ。
HシンカーはRun Value+19とシンカーボーラーとしてはトップクラスの数字をマーク。左投手にHシンカーをつけれない関係で、画像のようなオリ変で再現している。

また、サンチェスのチェンジアップは投球割合37%とかなりの高頻度で投げられていたにも関わらず、被打率.170、Run Value+18と異次元の数字をマーク。
サンチェスのチェンジアップは一般的なチェンジアップよりも5.5インチ以上の落差を誇り、それでいて平均スピードも139キロと平均を4キロ近く上回る、まさに魔球と言えるボールで、2025年はこのチェンジアップで124もの三振を奪っている。




査定に関して
逃げ球・ゴロピッチャー
サンチェスは比較的野手有利で知られるシティズンバンク・ボールパークを本拠地としながら、被本塁打率は0.53と超・優秀。
本塁打が少ない要因は、サンチェスが球界屈指のグラウンドボールピッチャーであることがあげられ、2025年のGB%(58%)はMLB上位4%の高水準。
球持ち◯
球持ちの良さを表す指標ExtensionはMLB上位8%
奪三振
一般的にシンカーボーラーは奪三振が少ないが、サンチェスは前述の魔球チェンジアップで空振りを量産し、シンカーボーラーとしては異例の奪三振率9.5をマーク。
Nishiのこぼれ話
フィリーズはブレイク前のサンチェスと2025年から5年総額2250万ドルの格安契約を締結。今となって考えると今年の活躍で十分お釣りが出るレベルで、もしかするとMLB史に残るお手軽契約になりそうだ。