ジェイコブ・デグロム

NYM(2014-2022)-TEX(2023-)
通算成績 248登板 96勝65敗 防御率2.57 1851奪三振 fWAR46.4
獲得タイトル:サイ・ヤング賞2回、最優秀防御率1回、最多奪三振2回、新人王、カムバック賞1回
2018年 32登板 10勝9敗 防御率1.70 269奪三振 fWAR9.0
deGrominator
2018年から2021年までの4シーズンにかけて化け物じみたピッチングを披露した本格派右腕。
デグロムは2014年に新人王のタイトルを獲得して以来、メッツのエースとして活躍していたが、トレードマークのロングヘアーをバッサリ切り落とした2018年シーズンを境に“球界最高の投手”に変貌。
多くの投手の球速は20代後半がピークと言われる中、デグロムは30歳を迎えた2018年から毎年上昇し、2021年には最速165キロ、平均160キロと先発ながらMLBトップクラスのスピードをマーク。
この弾丸フォーシームと同じピッチトンネルから急激に変化する150キロを超える高速スライダーのコンビネーションは破壊力抜群で、純粋に力だけで打者をねじ伏せた。
今回作成した2018年はMLB最長記録となる24先発連続QSを記録し、4失点以上を喫した試合は1回だけと異次元の安定感。
シーズン防御率も両リーグトップの1.70をマークした。この数字はライブボール時代以降にプレーした先発投手としては歴代10位の大記録。
また、デグロムはこの年にMLB史上初となる「防御率1.70以下・260奪三振以上・50四球以下・10ホームラン以下」でシーズンを終えた投手となった。
これだけ素晴らしい投球内容であれば、少なくとも15勝くらいはしているべきだが、デグロム登板試合の平均援護率は規定投球回に到達した投手の中ではリーグワースト3位の3.57と極端に低く、わずか10勝にとどまってしまった。ここからデグロムは無援護に悩まされ、「デグロムが投げている試合はなぜか点が取れない」と言われるようになった。
デグロムはこの年から2シーズン連続でサイ・ヤング賞に輝き、2021年にはわずか3ヶ月の稼働に終わったものの防御率1.08と驚異的な数字を残した。
デグロムはレンジャーズに移籍後、トミー・ジョン手術を受けるなど、相次ぐ故障に悩まされていたが、2025年に12勝、防御率2.97と完全復活。
2026年も開幕から健康体でローテーションを守っており、6月1日のカーディナルス戦で通算100勝を達成。38歳と衰えが顕著になる年齢に差し掛かっているにも関わらず、フォーシームの球速は常時150キロ中盤と全く落ちておらず、6月14日時点で防御率3.17の好成績を維持している。
デグロムの2026年開幕時点での通算防御率2.57はカーショウに次ぐ数字であり、余程のことがない限り、防御率2点台後半での現役引退が確実視されている。
もし仮に現状の近い数字でキャリアを終えることができれば、200勝や3000奪三振といった殿堂入り基準のマイルストーンに届いていなくても、殿堂入りの可能性が非常に高い。
球種はHスライダー、カーブ、ファストチェンジ。
デグロム=フォーシームとスライダーのツーピッチというイメージが強いが、2018年はチェンジアップの投球割合が16%を超えており、被打率.137、Run Value+13と効果的に決まっていた。
ちなみに伝家の宝刀高速スライダーは被打率.187、Run Value+16と球界最高レベルの高評価を受けていた。



査定に関して
球速160キロ
デグロム=164キロのイメージが強いが、2018年の最速は160キロ(99.7マイル)だった。2021年には2018年の最速がデグロムにとっての平均になっており、この4シーズンの間でどれほど球速アップしたかがよく分かる。
ノビA
フォーシームは被打率.203、Run Value+22とこちらも球界最高クラスの高評価。
逃げ球
2018年は217イニングを投げ、許したホームランは10本だけ(被本塁打率0.41)。
奪三振
奪三振率11.16
球速安定
最速160キロに対して、平均154キロをマーク。現在のMLBでは平均150キロ中盤を超える先発投手も少なくないが、当時これくらいの水準を維持していたのはセベリーノ、シンダーガード、イオバルディ、コールくらいしかいなかった。ちなみにデグロムは2021年に先発投手としては最速となる平均159キロ超をマークしている。
立ち上がり◯
2018年は初回防御率0.84、2回も0.87と立ち上がりで捕まることは皆無だった。
ストライク先行
デグロムは威力のあるボールを積極的にストライクゾーンに投げ込んでおり、初球ストライク率は67%とリーグ平均(60%くらいと言われている)を大きく上回っていた。2022年には初球ストライク率70%に達しており、年々ゾーン内に入れる意識が高まっていったことが伺える。