レギュラー化させたい新コーナー【MLB関連書籍レビュー】。
このコーナーでは筆者が購入したMLB関連本を内容の濃さ、おすすめの読者層、パワプロ査定への役立ち度合いの3つの視点からレビュー。書店で買うか迷った時の物差しの一つになれればと思っています。それでは、早速第二弾を紹介します。
ノーラン・ライアンのピッチャーズ・バイブル
書籍の基本情報
価格:1980円
発売日:2010年8月27日(原書は1992年に発売)
著者:ノーラン・ライアン/トム・ハウス
翻訳:斎藤信太朗/川島英夫
出版社:ベースボール・マガジン社
ページ数:160ページ
ブックレビュー
今回、紹介するMLB関連書籍は「ノーラン・ ライアンのピッチャーズバイブル」です。
こちらはMLB史上歴代最多のシーズン383奪三振、通算5714奪三振を記録したドクターKノーラン・ ライアンが自身のトレーニングや野球観を語っていくといういわゆる自伝×トレーニング本です。 ベースボールマガジン社が定期的に刊行している〇〇(選手名)のピッチングバイブルに近い構成です。(当然、本家はノーラン・ ライアンの書籍ですが…)
共著者のトム・ ハウスはライアンのレンジャーズ時代のピッチングコーチ。 本書の中盤で解説されるトレーニングのやり方はライアンとハウス の二人三脚で生み出されたものなのだそう。
主な内容としては、
・ライアンがなぜトレーニングに目覚めたのか
・投げ込みの重要性
・エースに求められるメンタリティ(内角攻めの重要性)
・投球術(なぜ、カーブと速球だけで活躍できたのか。)
・ライアンのフォーシーム、カーブ、サークルチェンジの握り
・フォーム解説
・筋トレメニュー(写真がやたら充実している笑)
・食生活(パンにはバターを塗らない派)
などがライアンの独白+トム・ ハウスの解説のような構成で明かされてきます。
ライアンが対決した選手のエピソード(ウェイド・ ボックスは追い込まれてからの粘りが厄介etc)や、今(1990年代)のピッチャーは変化球に頼っているためフォーシームの球速が遅いなど、当時の野球観や小話も満載です。
ライアン= フィジカルにものを言わせたノーコン速球派というイメージから、ライアン=頭脳派のノーコン速球派へと変わる(ノーコン速球派なのは同じ笑。ライアン自身も随所にもっとコントロールが良ければと記述しており、ノーコンの自覚はあった模様)そんな1冊です。
あと、書籍の右下にライアンの投球写真が載っており、こちらはパラパラ漫画みたいに捲れるという遊び心もクスッとします。
お勧めの読者層
・ノーラン・ライアンについてもっと知りたい方。 パワプロでノーラン・ライアンを作成したい方
・1970~80年代のメジャーのトレンドを知りたい方。
・筋トレをしてライアンばりの剛速球を投げたい方( 本ブログの読者にそんなスゴイ方はいないと思いますが…)
年度別成績や、左右別成績、 イニング別成績などはベースボールリファレンスに乗っており、純粋に査定だけをするなら、これらの情報とYouTubeなどのハイライト動画で事足りると思います。ですが、本書には
・イニング別の球速
・球種別投球割合
・球種別ストライク率
・球種別被打率
・年別の平均球速
・カモにしたバッター
などが載っており、査定に「深み」や解説文にWikipedia以上の情報を書きたいのであればこれ以上詳しい書籍はないと思います。また、球種別被打率はおそらくこの書籍にしか載っていない情報ではないでしょうか。
オススメ度
★★★(ノーラン・ライアン査定をしたいなら星5つ)
ロングセラーなだけあって、内容はかなり充実しています。 気になる方は書店などで手に取ってみてはいかがでしょうか。
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