ジム・トーミ
CLE(1991-2002)-PHI(2003-2005)-CWS(2006-2009)-LAD(2009)-MIN(2010-2011)-CLE(2011)-PHI(2012)-BAL(2012)
通算成績 2543試合 .276 2328安打 612本塁打 1699打点 19盗塁 fWAR69.0
獲得タイトル:最多本塁打1回、シルバースラッガー賞1回
2002年 147試合 .304 146安打 52本塁打 118打点 1盗塁 fWAR7.3
ナイスガイのスラッガー
2007年に実施された「フレンドリーなメジャーリーガーは誰?」というアンケート企画で2位に選ばれるなど、親しみやすい人柄から選手間の中でも絶大な人気を誇るスラッガー。
トーミは生粋のパワーヒッターで、キャリア通算でMLB歴代8位となる612本塁打を記録。2000年代に記録した416本塁打もこの期間でプレーした選手の中では8位と、まさに2000年代屈指の強打者だった。
トーミは1996年から9シーズン連続でシーズン30発を記録。特に圧巻だったのが2001年から2004年までの4シーズンで、この期間の平均本塁打数は47.5本!
2002年にはキャリアハイとなる52本塁打*1を放ち、モー・ボーンが1995年に樹立したインディアンズ(現在のガーディアンズ)の球団記録を更新。また、リーグ最多の122四球を選び、リーグ2位の出塁率.445、OPSはリーグトップの1.122とまさに最強打者だった。
トーミはキャリアハイの成績を残した2002年オフにFAとなり、6年総額8500万ドルの大型契約でフィリーズに移籍した。
フィリーズ1年目の2003年には47本塁打を放ち、自身初となるホームランキングのタイトルを獲得。翌年も42本塁打と好成績を残していたが、3年目の2005年に右肘の故障で戦線を離脱すると、その間にライアン・ハワードが台頭し、オフにトーミはホワイトソックスに放出されてしまった。
トーミはその後、強打者を求めるチームを転々とし、2012年に現役を退いた。
トーミはこれだけのパワーを誇りながら、ドーピングとは全くの無縁で、資格取得1年目の2018年に得票率89.9%と絶大な支持を受け、ゲレーロ(父)、チッパー・ジョーンズ、ホフマンと共に殿堂入りを果たした。
現在は、解説に加え、前述のフレンドリーな人柄もあり、2022年からはMLB選手同窓会の会長としても活動している。
査定に関して
伝説のサヨナラ男
トーミはキャリアを通して13本のサヨナラ本塁打を記録。これはMLB記録となっている。
今回作成した2002年も7月28日のタイガース戦でサヨナラ本塁打を放っている。
広角打法
トーミは広角に打球を飛ばせるスラッガー。2002年はセンター方向に23本、レフト方向に6本塁打を放っている。なお、2000年代後半に入ってからはプルヒッティングが顕著になり、トーミシフトが敷かれることとなった。
対ストレート◯
キャリアを通して速球に対しては打率.284と得意としていた一方で、変化球には脆く、特にスライダーは打率.170と相当苦手としていた模様。
マルチ弾
2002年はのべ5試合でマルチ弾を記録。
三振・選球眼
トーミはキャリア通算で9回の100四球とエリートクラスの選球眼を誇った一方で、待球スタイルゆえに追い込まれ、変化球を振らされ、三振といったケースも多く、試合数と同じくらいの三振は当たり前。2001年にはリーグワーストの185三振となかなかのブンブン丸ぶりを発揮した。
Nishiのこぼれ話
トーミはアベレージを残せるバッターでもあったが、アダム・ダン率は47.6%と本家*2に匹敵するクラス。2001年にはアダム・ダン率53.6%と本家のキャリアハイ(56.7%)に肉薄する数字を残している。